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香料としての精油とアートとしての調香

LSAでPEOTコースの1枠である「吉原正明先生の香りの分類とブレンド(調香)」を受講してきました。私は、通信過程で受講している「ビオパルファン®️」のコースの補足に良さそうだな。と、思いまして、単科で受講させてもらいました。

何度か書いているビオパルファン®️は、ビオ(英語ならオーガニック)である事に重きを置いているので、人工香料(合成香料)を使わない点で、化学物質過敏症の私でも調香の学習ができるコースなのですが、精油のブレンドでは出せない香調(ノート・アコード)があると思っていますが、その尖った鋭い香りがないところ、時間の経過とともに変化が楽しめる。それが天然香料、つまり精油の魅力だと思っています。
香りに何を求めるのか?という事も重要だと思いますが、時が流れていくのに、ずっと変わらないものを求めるのは、違うのではないかと思います。
時間の経過とともに変わり、場所に合わせて、また、香りを纏う理由によって、表情を変えることこそが、五感を養生する香りの使い方。
それを簡単に叶えてくれるのが、揮発速度の違う香気成分の集合体である精油の魅力と思いませんか?

と、いうことで?

天然香料としての精油の考察を深めるべく、対比される合成香料。市販の香水などのサンプルを交えながら、香りの分類を学びました。

今は亡きフレジャの季刊誌
調香師の技術を盛りだくさんに掲載してくださっている。
当日、試香した合成香料

合成香料は、私の身体(化学物質過敏症)では、全然、受け付けられず、受講中は咳が止まらず、部屋を喚起し、空気清浄機を動かして、水分を多めに取っていても、半日ダウンしましたが、それでも、一度は試香して記憶しておきたかったので、大変勉強になりました。

カルバンクラインのエタニティは、サンプルを取り寄せていて、試香しているのですが、今回のサンプルで学習させていただいた「イソEスーパー」が、まさにそれで、80%くらい使っているのではないか?と思われました。ちなみに、この「イソEスーパー」も、カルバンクラインの「エタニティ」も、咳き込むほどの反応はありませんでした。なので、合成香料=有害と言うことでもなさそうな。とも思います。精油の成分でもアルデヒド類が多いものには注意が必要だし、ケトンには良いケトンと悪いケトンがある。合成香料にも同じことが言えそうです。

調香師としての香水の勉強には、欠くことのできない合成香料、さらに大量安定供給するのにも欠かせなく、安全性を向上してきた。と言う話はよく出ますが、今回は、吉原先生のアロマテラピーの学校で講義をしていると言う配慮が感じられ、合成香料に重きを置いた話にはなりませんでしたが、天然でも合成でも、アレルギーは、利用する側の生体反応なのでこじんさがあり『絶対』はないはずです。

吉原先生に、その考えが根底にあるので、質問者の意図がわからなかったように感じましたが、「合成香料は安全」という安全ではないと思います。「合成香料は安定」なら、同意できますけれども。

そして『良質の合成香料』と言うものも、合成香料の合成の仕方が理解できないと、何を持って『良質』と言うのか、明らかに商売としての謳い文句にも聞こえます。

吉原先生に他の人がこう言っているけれども、どういう意味ですか?と言う質問は、そもそも失礼な気もしますが、とても丁寧に考察してくださっていたので、私のメモもこんな感じでまとめたいと思います。

オーガニック野菜の形も成分も、多少の変動はあるけれども、オーガニックであることに意味がある。整形されて人工的に作られた、それこそ遺伝子組み換えまでして均一規格で作れたとしても、それは嫌だと思う人が多いのではないでしょうか?

天然、自然、科学、化学、それぞれの良いところをリスペクトしたいものです。

ところで、講座の内容はどうだったのかと言うと、基本的には、伝統的な分類「フローラル」「シトラス」と言われている事を覚えることは『共通言語』を知る事、その中で、個人的にその香りをどう捉えるのかを感じる事も必要。または、他の人がどう感じるのかを知る事は、外国語を学ぶようなもの。知覚認知は、個人差があるものなので、相手に伝わる「表現方法」を身につけることが、必要であると言うことを学んだと思います。

どう感じるか?を、こちらから伝えてしまうと、先入観を与えるリスクもありますが、同じように感じないかもしれないし、食べ物も、栄養評価や、これを食べると痩せる!なんて言われると、少々不味くても食べられてしまう感じと似ているかもしれません。

しかし、嗅覚は、特性のある感覚受容体であり、生体側の反応も考えなければならず、何事も独りよがりの押し付けにならないように。と、思います。