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【英文和訳】アロマのブレンドに有効的なアルコールの使い方

原文:https://tisserandinstitute.org/effective-use-alcohol-aromatic-blending/

オンライン上には、DIY(自分で作る)アロマテラピーのフェイシャルコスメからルームスプレーまで、ありとあらゆる情報があふれています。

いずれも「自分で作る」と言う事が「あなただけのオリジナル」であることを推奨し、以下のように主張しています。

「自分で作ればお金の節約」

「市販のものよりも、『自然』『天然』で安心。何が入っているかすべて分かるから安全。」

「とっても簡単で、特別なトレーニングや勉強を必要としません。」

これらのすべては本当です。ある程度は。

このような主張をする人々の中には、DIYグッズの調整を正しく安全にできる事について過大評価をしている人もいます。

料理のように、簡単で間違うはずのないレシピに対して、少しばかりスキルや知識を必要とするものです。

あるいは、コスメ的な化学者でない限り、本当に使用できない事もあります。

※一部の薬品等は、購入時に購入者の履歴を残す必要があるものもあります。

DIYグッズを作る時、安全な製剤とは、知られている有益な結果と苦しんでいる副作用の相違がありえます。

そして、水、生命の源であるがゆえに、私たちの製品にとって予想外の敵となりえます。

水と水性基材(例えばアロエ、ウィッチへーゼル、芳香蒸留水など)は、我々のすべての環境下において、微生物の増殖を促します。

通常の腸内細菌のように一部有益な微生物はありますが、悪影響のある微生物もあります。

多くの『天然成分』例えば、アロエ、植物エキス、化粧品原料となるその他のものは、微生物にとって『食料』となり、微生物の増殖に関与しています。結果として、水溶性基材の商品、身体、部屋に使うを問わず、リネン(布用)スプレー、掃除用スプレー、ローション、クリーム、ジェルなど、防腐剤が必ず必要になります。

最終的に、あなたが公衆衛生と考えて作ったスプレーは、その何とかしたかった細菌と全く同じ細菌でいっぱいになっていると言う事です。

 ”あなたがDIYアロマスプレーのレシピとして見かける多くは、単に水とエッセンシャルオイルを混ぜただけです。または、使う前に振ってくださいと言われるような場合は、ウィッチヘーゼルナッツや酢のような水溶性の何かも混ぜています。残念なことに、これらは微生物の遊び場であるだけでなく、エッセンシャルオイルの希釈、可溶化がなされていません。アロマテラピースプレーにおいては、何らかのアルコール類が(希釈の為に)推奨されます。”

プロフェッショナルなアロマセラピストは、このテーマについて、金の重さと同じ価値がある事を知っています。

しかし、しばしば、水溶性の基材に対する知識や技術は、教育されていない事もあります。

あなたがDIYアロマスプレーのレシピとして見かける多くは、単に水とエッセンシャルオイルを混ぜただけです。または、使う前に振ってくださいと言われるような場合は、ウィッチヘーゼルナッツや酢のような水溶性の何かも混ぜています。残念なことに、これらは微生物の遊び場であるだけでなく、エッセンシャルオイルの希釈、可溶化がなされていません。アロマテラピースプレーにおいては、何らかのアルコール類が(希釈の為に)推奨されます。

しかし、それは安全ですか?

精油の安全性については、ティスランド研究所が最も関心を寄せている事です。

そして、多くのアロマテラピー関連団体、コミュニティから、定期的に個人が家庭でアロマテラピー製品を作る時に、穀物アルコール(エタノール)が、身体や部屋に使うスプレーとして簡単に安全に使う事ができるかを質問されます。

●微生物汚染の排除(防腐剤)

●安全にエッセンシャルオイルを使う為の確実な希釈


以下にQ&A形式で、2,3の基本的な水性基材について話し、もっとも一般的にDIYで作られるスプレーの作り方を案内します。

Q:防腐剤とはなんですか?

A:防腐剤は、食品、医薬品、ボディケア用品を含む広範囲にわたる製品で生きている微生物の成長を遅らせるか、増殖を防止する為の化学物質と定義されます。
一般に、製品を汚染する生きている微生物は、バクテリア、カビと菌類です。
食料保存で使われる単純な防腐剤の例は、塩と酢ですが、度数の高いアルコールは、いろいろな一般製品(身体、部屋)で使えます。

※ 原文で bacteria、mold、fungiと分けられているのですが、水処理専門家でも、微生物、細菌、 菌類の定義に苦労されているサイトを見かけました。私も、ここの区別はイマイチ分かりませんが、実際に自分で作る場合、雑菌やカビに注意するので、そのあたりを細かく表しているのではないかと思います。

Q:穀物アルコール(エタノール)とは何ですか?それは防腐剤として使えますか?

A:エタノール/エチルアルコール(C2H6O)は、単純な化学化合物です。2つの炭素(C)と6つの水素(H)と1つの酸素(O)から成り立ちます。

水溶性で、揮発性で、可燃性溶液のエタノールは、植物のでんぷん質、たとえば、穀物、ビート、果物、砂糖など、発酵や蒸留をする事で得られます。エタノールは単純な化学化合物である事により、多くの用途がありました。

家庭用・工業用掃除用品、香水や化粧品、医薬品、食品、もちろん、アルコール飲料を含む様々な製品として見られます。

エタノールは天然の“殺し屋”です。多くの微生物を殺す役割を担っています。

微生物を破壊する能力があるので、何百年もの間、医療や公衆衛生を目的に使用されてきました。

微生物の増殖を抑える働きにより、溶液や混合液の性質を保存することができるので、エタノールは、様々な目的をもった製品のその目的に応じた濃度や量で使用されてきました。

Q:エタノールはどのように微生物を殺しますか?

A:バクテリアの生物学的構造とアルコール分子の構造を見る事によって、私たちは視覚的にアルコールがどのようにバクテリアを滅ぼすか理解することができます。多くのバクテリア(細菌)は、“cell envelope(細胞外皮)”と呼ばれる層を形成しています。(細胞外皮の)層の内側には細胞質があります。細胞または原形質膜(plasma membrane)は細胞質をカプセル化して(細胞外皮の)層の外と隔離しています。

もっとも外側の層は、細胞壁(cell wall)で、細胞全体を包んで保護しています。これは細胞構造を非常に簡略的に説明したものですが、我々の議論には十分です。

アルコールは、分子レベル上、多種のバクテリアを殺す事ができます。アルコール分子は、一方の手で、水または、水溶性物質と結合し、もう一方の手で、脂質または、脂溶性物質と結合することができる。エタノール分子は、バクテリア細胞と接触する時、もっとも外側の細胞壁の水溶性部位と親水性の手で結合し破裂させ、(細胞壁を)弱めます。同時に親油性の手で、細胞壁と細胞膜の脂質部位と結合し破裂させます。この結合により、(細胞外皮の)層はその構造の完全性を失ってバラバラとなり、本質的な溶解が起こるのです。

(細胞外皮の)層が壊された事で、残りのアルコールは細胞の中に入り、たんぱく質を変性させ、その結果バクテリアは死にます。

その他の微生物についても同様のプロセスが起こります。しかし、これ以上、フカボリする必要はなく、アルコールが胞子を殺す、成長や再生は妨げられると言えば十分です。

Q:エッセンシャルオイルが混ざった状態にし続けたい時、アルコールが役に立つか?他に何か使う事ができるか?

A:学校の化学の時間に教わる通り、水と油は混ざりません。エッセンシャルオイルも同様です。

これらは、互いに反発しあう物質なので、それらを「混ざった状態」にしたい場合は、使用目的に応じて以下から選ぶ必要があります。

• 分散剤
• 乳化剤
• 可溶化剤
• 界面活性剤

●希釈

希釈とは、減らす工程、または、媒体と混ぜる事によって物質の濃度を下げる事、濃度を下げるために媒体の量を増加する事を意味します。化学的に我々は、Like dilutes like.(同様のものが同様のものを薄める)原則を使います。

それは単純に、親水性物質が親水性物質を希釈することを意味します。例えば、水とオレンジジュース。

同様に疎水性物質は、疎水性物質、オリーブオイルとエッセンシャルオイル。ガスは、ガス、窒素と酸素と言う事です。

●分散

分散とは、一時的な力によって、より小さく、多方向に散らばる事を意味します。

物質自体は変化しません。一時的な拡散です。

1本のオリーブオイルとビネガーのサラダドレッシングを考えてください。容器をしばらく振る事で分散され、2つの成分は一緒になります。そしてあなたのサラダにかける事ができます。しかし、容器を下ろすやいなや、容器の中は、オイルとビネガーの二層に分かれていくことにあなたは気が付くでしょう。

●乳化

乳化とは、「乳化剤」と言う化学物質を使う事、または、高い剪断力、回転を以って油と水の分子を結合させる力の事を意味します。

乳化剤と結合させる高速な混ぜ合わせは、分子構造と両極性のどちらも変えることなく、水性成分の中により小さなしずくとして油性成分を「分散」させます。同時に、乳化分子は、水性成分と油性成分の間で、互いに反発する性質を取り持って「結合」をしている。

これらの新しく「結合された」分子は、乳化剤を中心に一緒に、分子構造はそのままで存在している状態、エマルジョンとして知られています。

水性ボディローションのように、マヨネーズはエマルジョンの一例です。

●可溶化

可溶化とは、ひとつの物質(溶質)を、もうひとつの物質(溶媒)に溶かしてひとつの溶液にする工程を意味します。物質#1と物質#2は、相反する極性なので、たとえ分子同士は反発するとしても、それは真実です。可溶化は、私たちがエッセンシャルオイルを使ったスプレーを作るに際に必要な化学工程です。

エタノールは、別れることなく薄められるか、混合されるかできるので、水性スプレーにエッセンシャルオイルを可溶化する為に使用されます。

適切な濃度であれば、エタノールは、水とエッセンシャルオイルを「結婚」させ一緒にします。それらふたつの物質は、もはや分かれる事の出来ないひとつの均一な物質になります。これらの物質には、分離つまり「離婚」は許されず、永久に一緒でいることを強制されます。

ラベンダーエッセンシャルオイルを、アルコール濃度の高いEverclear®に加えてルームスプレーを作る時、このふたつの物質は、もはや分離することはできなくなり、元には戻りません。

水性成分で薄める事の出来るひとつの芳香性溶液として一緒にいる事をよぎなくされます。

Q:私は、私のスプレーの保存とエッセンシャルオイルを混ぜる為にエタノールを使いたいと思います。どのように使えますか?

A:あなたのアロマクラフトに加えられるエタノール・アルコールの量、ならびに、その濃度(強度)は、エッセンシャルオイルを溶けやすさに関与しています。

非常に軽くて揮発性の柑橘類のように、いくつかのエッセンシャルオイルは、すぐに溶けます。その他のオイルはもう少し時間がかかります。一方で、とても重いミルラのような樹脂は、永遠にアルコールにとどまり、決して溶解することはできない。可溶化に効果的なアルコールの濃度は95-100%必要です。そうすると、多くの愛好家は、「ルームスプレーを作る為に、酒屋で安いウォッカを買う。」と言います。これは間違いです。安いウォッカは、通常、強度80-100で、アルコール濃度としては40-50%しかないのです。したがって、エッセンシャルオイルを適切に可溶化しません。結果的に、強度190、濃度95%の穀物アルコールは存在せず、あるものは、強度151、75%以下の濃度のものが使えましたが、おそらくエッセンシャルオイルは容易には溶けてはいません。

あなたのスプレーを適切に保存すること:

アルコールは、最低でも60%の濃度が必要です。言い換えれば、強度120の穀物アルコールでなければならないという事です。これより低い強度のアルコールでは、表面上微生物を殺せるだろうが、混ざっている微生物は殺せない。ここでの目的はスプレー内の微生物の増殖を抑えられればいいという事です。

両方をターゲットとする為に:

私は、Everclear® または、それに相当する穀物アルコール(つまり、強度190、濃度95%)を一般的に推奨します。最低限、可溶化の為に151度、75.5%のエタノールを使いたいのですが、使用するエッセンシャルオイルの粘性の比重によっては、95%のエタノールであっても、必ずしも混ざり合わないかもしれません。

この場合、特別に編成させるアルコール (SDA または、調香用アルコール) の利用は選択肢の一つになるかもしれません。しかし、それは購入にあたり規制と条件があり、一般ユーザーには手に入りにくいものかもしれません。

一番大事な事:

スプレーの構成に対してのエタノール含有率は20-30%と最小限にしなくてはなりません。私は、計算が簡単なので25%を推奨しています。計算が簡単な事は、再現率を高くします。サイズを変えても計算方法は一貫しています。

計算方法は理解する為の例として4オンスのスプレー瓶から始めます。

※日本に馴染みのないオンス計算ですが、グラムに直すと話がややこしいのであくまでも計算しやすさとしての見本です。原文ではグラム変換を四捨五入して記載しています。

・1オンスの強度190、濃度95%のエタノール-全体の25%

・3オンスの蒸留水-全体の75%

この蒸留水のパーセンテージから、使いたいエッセンシャルオイルのパーセンテージを引いてください。

3%希釈のスプレーを作るならば、25%のエタノール、72%の蒸留水、3%エッセンシャルオイルという事です。このパーセンテージを使って、単純な掛け算で、どんなサイズのスプレーも作れます。

※補足つけたし※

原文が distilled water となっていたので、普通に蒸留水と訳してみたのですが、後でよく考えてみたら、「精製水」という言い方の方が、日本で流通している言葉だったかも。と思いました。各国、水道から出てくる水の質は違いますが、日本の水道水は、飲めますけれども、腐らないように処理されています。純粋にH2Oではないので、他の化学物質と反応します。白濁したり…。
使用用途や期間によっては水道水でも十分だと私は思いますが、日本語訳としては「精製水」かな?と思います。

※ここまで補足つけたし※

再び、4オンスのスプレーを例にします。

• 1オンス強度190、濃度95%のエタノール
• 2.88オンスの蒸留水
• 0.12オンスの精油

私は、公式化する人なので、1オンス以下の細かい計量に慣れています。しかし、あなたは、アマゾンやその他の量販店で安価なキッチンスケールを購入しているでしょうから、1オンス以下を計ることができないかもしれません。ここに容量の大きなルームスプレーのレシピを用意しました。

※しかし、液量オンス計算なので、日本人向きではありません。原文のまま訳しますがご注意ください。

サニーサイドアップ ルーム&ファブリック スプレー

DIY スプレーのもと(個人・家庭用)

・1 fl.oz の強度190、濃度95%のエタノール

・3 fl.oz から、ティースプーン1杯分引いた蒸留水

精油

ベルガモット 24滴

レモン 18滴

ベルガモットミント または、ラベンダー 20滴

ブラックスプルース(スプルースブラック) 20滴

シルバーファー(モミ) 14滴

シダーウッドバージニア 12滴

1:エタノールと精油をよく混ぜ、ふたをして少なくても1時間寝かせる

2:スプレーボトルに(1)を入れ、蒸留水をゆっくりと加えます。この時泡立っても普通です。

3:スプレー部を閉め、ルームスプレーまたは、布製のものに使ってください。

補足:

計量方法は一貫してください。安いキッチン計りでも、正確に重さを計ってください。特に小さい容器で作成するときは、大さじや計量カップのような容量を計るものよりも、重さを計ったほうが良いです。

厳密に微生物を減らすためには、最初から食品用消毒エタノール等で、道具、調理台、容器、その他必要なものを消毒し、容器内部、表面など乾かしておく必要があります。

あなたの皮膚上の常在菌の混入を防ぐ為に、食品・調理用手袋をするのも良いでしょう。

また、薄めていないアルコールは皮膚にとっていいものではありません、皮膚の乾燥を促進したり、皮膚刺激になる事もあります。希釈していないエッセンシャルオイルは、皮膚に有害な反応を起こすこともあります。

**この手法はボディスプレーや、香水を作る際にも利用できます。

重要な注意点:

木製仕上げをした表面の調理台、または、マニキュアなど、他のどのアルコールやエタノールを含むものも、損傷します。思い出してください。それらは、すべて精油の溶媒となります。

このようなものに直接、(精油が)接触することは避けてください。

同様に、もし、ボディスプレーを作るならば、光毒性のある精油を避ける事は重要です。

もし、スプレーを使った後に外に行く計画があるのであれば、すべての精油に対する一般的な安全性と安全な希釈率については、『Essential Oil Safety, 2e (Tisserand & Young)』を参照してください。

もし、あなたがエタノールを含むホームメイド製品を売る予定ならば、深刻なトラブルに巻き込まれる前に、すべての関係法律をチェックしてください。

※原文は、細かく明記されていましたが、日本語に訳しても意味ないので割愛。日本も同様に名称は違えど、各関係法律があります。

結論

結論としては、エタノール(エチルアルコール)は、微生物を殺すことのできる『殺し屋』薬品です。

それは、微生物汚染を排除し、微生物の増殖を抑制する為に用いられます。

また、油を溶かすことのできる溶媒でもあります。少量の揮発性芳香成分、あるいは、精油を溶かすことができる可溶化剤として使用できます。

スプレーや香水をDIYする愛好家にとって、穀物アルコール(エタノール)を使う事は、ルームスプレーなど水性製品を作るのに簡単で費用効果の高い方法と言えます。

それは、保存と、しっかり混ぜ合わせる事を両立させま、さらに防腐について学ぶ必要はない事を意味します。しかし、保存には、少なくとも60%、精油を混ぜるには、少なくとも75%のアルコール度数が必要です。

以下、単語の説明とその他の引用文献についての記載。

著作者のジンジャー・ムアーさんの略歴。