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アンブレット・シード(Ambrette seed)

学名 Abelmoschus moschatus / Hibiscus abelmoschus
科名 アオイ科
生産地 西アフリカ、エクアドル、中国、マダガスカル
原産国インド
抽出部位種子
抽出方法蒸留法、溶剤、CO2
特性

効用
アーユルヴェーダでは、むくみや冷え、乾燥などに使用されるそうだが、使用方法の情報は入手できていない。
コーヒーの香りづけにリキュールとして使われた情報もあるので、チンキ剤かもしれない。

非常に酸化しやすい。

50%,10%エタノール希釈し低温保存をすることで、トレースとして残る脂肪油と
酸の変質による腐敗臭が起こることを防止する
(Steffen Arctander(2020)Perfume and Flavor Materials of Natural Origin, Kindle)
あるいは、33,50,66%ホホバ希釈し保存
(Angela Gembrin, Eden Botanicals, (2016) Aromatherapy Times 日本語版 109,9-8)
危険性

禁忌
アロマテラピー(精油)としての臨床は少ない事もあり「知見なし」とされている。
アロマテラピータイムズに寄稿したアンジェラは光毒性の恐れを指摘していたが、
精油の安全性ガイド第二版によると「非光毒性」と結論づけられている。
主要成分酢酸ファルネシル(30-70%)、ファルネソール(3-40%)、アンブレットリド(7-15%)、
酢酸デシル(0-5%)、酢酸ドデシル(0-4%)、ネロリドール(0-2%)、他
香調ムスク調
ノートベース、フィクサティブ

アンブレッドシードは、ビオ・パルファンの材料として入手しています。
ムスク調の香りとされていますが、希釈濃度によって印象も変わるので面白いです。

   香りを嗅ぐ前後の唾液中のエストロゲン濃度を測定し、結果、エストロゲン濃度がアンブレット・シードオイルを嗅ぐことによって上昇した。
(日本メナード化粧品研究技術部門 加藤雅光・山岡由奈・田中 浩  (2004).女性ホルモンの分泌に影響する香料の研究、AROMA RESERCH Vol.5 No.2

   構成成分的には、ホルモン様作用や、化学構造がエストロゲン様な成分の確認がされているわけではないので、中枢神経系に働きかけて、結果としてエストロゲンの分泌を促したものと推察できる。しかし、エストロゲンの分泌は、巡り巡ってむくみを解消する例外、ゼラニウムと似ている気がする。アロマテラピーとしての利用実績は乏しいが、アーユルヴェーダでは使用されてきた植物なので、今後の臨床に期待できるかもしれない。